yahhyhappyのブログ

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小説『朝が来る』を読んだ

お題「読書感想文」

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タイトル:『朝が来る』

著者:辻村深月(みづき)

発行者:文藝春秋

第1刷発行:2015.6.15

定価:1500円+税

 

前半は、武蔵小杉の高層マンションの34階に住む家族の話。

平凡ではあるけれども恵まれた階層の専業主婦の日常です。

精神的にも肉体的にも辛い不妊治療をし諦めるまでの葛藤や、特別養子縁組によって子を持つまでの戦い。

そして母親になり、ママ友とのおつきあいや、価値観を押しつけがちな実母との関わりなど、子を持つ主婦ならではの悩みを抱えつつ、子どもを守る強い母へと覚悟ができていく過程が描かれています。

 

後半は、ガラリと主体が変わり、子どもの生みの母親の話へと切り変わります。

中学生の時点で妊娠し、実母との関係性がうまくいかないまま、転落していく様がリアルです。

 

転落といっても、風俗等に流れていくのではなく、支援施設や新聞配達で地味にコツコツ働くのです。

そこで出会った友人と思っていた人に裏切られ巻き込まれていくので、本当に苦しい気持ちで読み進みました。

 

物語の中では出てこなかったのですが、行政に相談してくれていたらな〜、と残念に思う自分を止められませんでした。

当面の住居を提供し、生活の立て直しを図り、弁護士への相談を後押しし、生きていかれる術としての仕事や必要なら資格取得のサポートもできたのに…と。

 

まぁそうなると小説として成り立たないでしょうから、選択肢としてないわけですね。

 

最後に少しだけ希望があるかも、と思わせるところで終わっています。

よかった。

それがなければ辛すぎる物語でした。

 

ドラマ化もされたようですが、大分小説とは違っているようです。

 

この本を職場の仲間にも読ませようかしら。多分私と同じように、行政に相談すればいいのに、と悔しがるに違いありません(笑)。

 

主人公を、愚かだと断じることは容易いです。しかしどんな人も、自尊感情を削がれている時には弱くなるものです。

親から愛されたと思えない時も弱くなります。だから、どんな人も弱くなる時があり、場合によっては周囲からのサポートが得られず転落の可能性があるといえます。

 

読み始めたら一気です。

読み終わるまで気が気じゃないので。

でもおすすめです。

 

 

 

読んでくださってありがとう。